U100g 初心者向け ダイソー電動グライダー製作
初心者に適した製作が簡単な低速ラダー機を目指しました。
EPPなので墜落しても壊れません。OK模型やムサシノ模型の前の練習機に最適です。
こちらが1号機です。(全備重量: 87g 推力22g 全幅670mm)
変速なしのブラシモーター1個では推力が少なく水平飛行が限界なので、2個に増やすと上昇する余裕が出ます。
主翼を改良し、初心者向けに飛行速度を遅く滑空比を上げた2号機はこちらです。
全備重量 89g 全幅1170mm
やり方と経験にもよりますが、製作所要時間は5時間〜10時間ぐらいです。送受信機を除く材料費は約9千円になります。
2号機のフライト動画です。
2号機は高アスペクト比・低速・上反角控えめなので、風に翻弄されがちでした。
その意味で1号機の方が速度も早くラジコンとしては楽しめます。
胴体
・カッターマット・カッター・定規・紙やすり・プラスチック対応の接着剤 など、基本的な工作道具はあるものとします。
・元々ついている黒いキャノピーは重いのでカッターで切って外し、メカルームを作る。適度なサイズで外枠を切って内側を掘る。
・キャノピーを作る。今回はPPシート0.2mmで作りました。元の黒キャノピーの後ろの一部分だけカットし、PPシートに形のガイドとして合わせて接着すると形が作りやすい。
・モーターマウントを作る。カラーボード又はバルサ(3mm厚)で、ペラが当たらないようにかつ差し込み部約2cmを含んだ長さでカット。メカルームの後ろに約2mm幅で約2cmの深さの切り込みをいれて、接着剤でマウントを固定。プロペラ(0.9mm軸用)は押し込むだけでOK。モーターを接着する前にモーター表面処理を推奨。マウントはアラミド繊維などで補強すると壊れにくくなる。(補強用の繊維がない場合はマスキングテープで代用)
接着剤は、Sports goo / ボンド GPクリアー/瞬着 あたりがおすすめ。用途によって使い分けてください。
・推力UPのため、モーターは下図のように2つにした。モーターサイズは大きい方の8520モーターの方がパワーがあるが電流消費は多い。モーターの位置は前よりの方が重心位置としては良くなる。(2個に増やすならブラシレスモーターでもよかったかもしれません。)
もしくは下図の8520 ギアダウンユニット にすると、推力が倍以上になりかなり上昇余力が生まれます。(通販のRobinで購入可能)
なお、以下のAmazonで売ってる安物は中国発送で時間がかかり、固いのに自分で組み立てないといけなくて、ペラ重量のバランスが崩れており振動して性能が出ないためNGです!!
・重心位置を見ながらサーボを取り付ける位置を決め、カッターで穴をあける。サーボは4g以下を推奨。主翼30%付近にしようとすると、画像よりもサーボはもっと前方に寄せた方が良い。重心位置が後ろすぎると(MAC50%より後ろ)、飛行は可能だがかなりピーキーな機体になる。
・サーボのケーブルを通す切れ込みをいれる。サーボに接着剤をつけてはめ込み、ケーブルを切れ込みにいれて隠す。
尾翼とサーボ周り
・エレベーター・ラダーのバルサをカットする。カラーボードもしくは3mm厚バルサでOK。本体胴体の形とあうように切ったり削ったりする。主翼が大きくなることを踏まえて、適度な面積になるように。画像はラダー30mmでカットしたが、45mmぐらいがお勧め。ラダー下部はエレベーターと干渉しないようにカット。
・バルサのエレベーターは胴体のお尻の突起分が邪魔になる。エレベーター側のバルサを切って作ると、エレベーターのねじり剛性が足りなくなるのでアラミド繊維と接着剤等でねじれ剛性を補強しましたが、今思えば胴体のEPPフォーム胴体の突起側の方を切って尾翼カットせずに接着した方が楽です。
また元のエレベーター後縁が直線ではなくウェーブが入っていてバルサに形状を合わせるのが面倒なので、元の尾翼の後縁がまっすぐになるように切ってしまった方が楽ですね。
・本体側のラダーとエレベーター(発泡スチロール)にカッターで切れ込みをいれて、シートヒンジがちょうどいい深さまで入るのを確認してから接着する。ラダー・エレベーターのバルサにも同じ位置になるように、印をつけてシートヒンジの切り込みをカッターでいれる。シートヒンジがちょうどいい深さまで入ることを確認してから接着剤をつけ合体させる。
・サーボの位置とあうように、エレベーターとラダーにホーンをつける。(ロッドなら片側、糸方式なら両側に。)
・サーボホーンを取り付け、ロッド もしくは 糸&ゴム紐 で舵のホーンと繋ぐ。
糸プーリー式を選ぶと、胴体の剛性が足りずエレベーターケーブルのテンションによってテールが横に曲がります。反対側に少し曲げた状態で、プーリーとは反対側の胴体を剛性補強してあげるといい感じになります。(アラミドを使用しましたがマスキングテープで代用可) ロッドにした方が楽でいいと思います。
糸プーリー式は、エレベーターの下ヒンジが地面に接触する恐れがあるので、ガードをつけたり、ゴム紐で伸びるような対策を取りました。面倒ですので、ロッドにした方が楽でいいと思います。
ということで先人の画像を拝借しますが、下図のようなロッド式をお勧めします。サーボ位置も前寄りの方がベターです。
(画像の参照元 @hirohara8411 さんのYoutube:https://www.youtube.com/watch?v=Sd0s2j7SgjU)
胴体と尾翼で52gになりました。(主翼とバッテリー除いた全ての重量)
主翼改造 1号機の場合
1号機の主翼は主翼2機分を合体させて作りました。ラダー機なのでエルロンはありません。2号機と比べて、1号機仕様の方が墜落時に主翼は壊れません。1機目の主翼を適当な位置(今回はエルロンの線の外側)で垂直にカットし、2個目の主翼は適度な上反角になるような治具を適当に作って地面に対し垂直に(主翼に対し斜めに)カット。1個目の主翼とくっつけた時に上反角ができるようにする。左右同じ上反角になるように注意。
今回は1個目の主翼のエルロンの外側マーク、2個目の主翼のエルロン内側のマークを目安にカットしました。上反角は適当に約13度(3cm/13cm)で作ってみましたが適度で良い角度だったと思います。
・主翼同士の接着は高粘性な接着剤を推奨。また裏面(底面)が平に繋がるようにして、アラミド繊維+接着剤で補強し固まるまでセロハンで補強。(アラミドの代わりにマスキングテープで代用可) 上面は段差があるのでやりませんでしたが、接着剤だけで強度十分でした。
固定フラップはつけるとより低速飛行できるようになりますが、滑空比はそんなに良くないです。
固定フラップ込みで31gになりました。
(固定フラップは厚紙使用したため少し重い)
主翼改造 2号機の場合
エルロンはありません。1号機と比べ2号機仕様は滑空比が良くなります。
2号機の主翼は、ダイソーカラーボードとカーボンパイプ2mmで製作しました。
翼弦の長さはオリジナルの機体と合わせて、450mmの長さはそのままに矩形でカットしました。続いてカラーボードを手で曲げて適度にキャンバーを作りました。手間がかかりますが後縁をカットしてあげるとグラデーションがかっこいい!👍 でも恐らく性能はあまり変わりません…😂
前縁は5分ぐらいかけて両翼をやすってあげました。
桁位置は翼端失速を恐れて翼端に向けて前進させてみましたが、高速飛行でダイブ発散傾向=ねじれ下げ傾向があったので、40%-50%付近のスパン方向固定がいいかもしれません。低速時のねじれ上げによる翼端失速の懸念については、軽量で剛性があるのでさほど心配ないと思います。
カットした主翼中央部をドリルで小さめに穴をあけておいて、カーボンパイプを貫通させ反対側の桁にカラーボードを接着します。主翼の回転固定はマスキングテープで主に持たせます。主翼の後縁を根本まで削ってしまうと、前後方向のT曲げでマスキング部から前後方向にカラーボードが割れてしまう(青丸部分)ので根本付近は削らない方が良いです。マスキンプテープ用に元の主翼カットする際は、1cmぐらい残しておくと留めやすい。
ねじれとたわみ剛性アップのため、幅広のマスキングテープで補強します。
アラミドなどの繊維の接着による補強よりずっと素早く補強できてお勧めです。
上反角は外側のウィングレットのような形で作りました。途中上反角を約40度、幅14cmでテーパーさせましたが少し上反角効果が不足気味なので、18cmぐらいにすればよかったかなと思ってます。手でキャンバーを作り、気持ちねじれ下げ気味にしました。小さいので接着せずマスキングテープのみで固定可能です。
27gになりました。電装を除いて、完成です。
電装
2号機の方だと、バッテリーは300mAhで約15分程度は遊べます。フルスロットルは2A程度消費します。リッジサーマルがあるところなら、もっと遊べるでしょう。
バッテリーは500mAhでも重さあまり変わらなかったので、こっちに変えました。25分ぐらい遊べるかな?
受信機・送信機はお好きな組み合わせを使ってください。
DCモーターのアンプですが、Futabaの方でS-FHSS対応送信機をお持ちでしたら、通販サイトRobinで買える受信機内蔵のアンプがおすすめです。(難点:受信距離40m程度)
それ以外の方で中国通販でOKの人は、アリエクで買ってください。送料込みで1500円ぐらいです。Amazon.co.jpでは見つかりませんでした。
https://ja.aliexpress.com/item/1005005472927603.html
for aircraft=one way を買ってください。実際に買ってみて二週間ほどで届きましたが、動作確認済みです。類似商品はだいたい逆回転対応のものが多いです、両方向(two way)の方を間違って買ってしまった場合はプロポ設定で対応可能です。
中国発送のAliexpressを待てない方で電子工作できる方は、下記のような方法で自作してみてください。
Arduino IDE + Seeeduino SAMD21 で自作し、動作確認しました。主にマイコンとMOSFETで、1000円-1500円ぐらいで作れます。
電源は受信機・サーボが1s(3.2Vまで)動作確認ができたので、LiPo 1s直結にしました。モーターは電圧よりもギア比が推力のボトルネックになっているので1s電圧で十分です。単純にペラ大きくしても推力下がります。
マイコンはUEWポリウレタンワイヤーで半田付け。
MOSFET。配線はショート防止のためシュリンクチューブやセロハンで保護。汚くてすみません。
プログラムの最小構成は以下のとおりです。
const byte PWMPin = 1;
const byte PWMOut = 2;
void setup() {
pinMode(PWMPin, INPUT);
}
void loop() {
int inPWMvalue = (int)pulseIn(PWMPin, HIGH, 50000UL); // 50 millisecond timeout
int outPWMvalue = constrain(map(inPWMvalue,1100,1860,0,255),0,255);
analogWrite(PWMOut,outPWMvalue);
delay(20);
}
材料費一覧
実際に作って反省を踏まえた推奨パーツは以下の通り。
ダイソー本体300円、マスキングテープや細かい材料費に数百円。
以上、送料込みで約9千円ぐらいになりそうです。(送受信機は除く)
(3号機製作中:カーボンパイプはダイソーの猫じゃらしからサルベージ可)
フライト注意事項
U100gの機体は風に弱く、操縦練習に適しているとも言えますが初めて飛ばす日は無風の日をお勧めします。周辺環境による風の乱れ方にもよりますが、3m/s以上の予報時はフライトしない方がいいです。
なお100g未満でも飛行が制限される空域・ケースがあります。フライトする際は航空法の遵守はもちろんのこと、私有地の場合は許可を、飛ばす場所のルール・マナーも確認し、周辺の人に迷惑がかからないようにしましょう。以上。
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